女給達は、再び眼と眼で囁き合うのだった。けれどもやがて辺りがどんどん静かになって来て、四丁目の交叉点をわたる電車の響が聞えるようになる頃には、もうカンバンを気にしだした彼女達は煙草屋を忘れて、宵のうちからトラになっている三人組の客を追い出すことに腐心していた。惨劇のもち上ったのは、恰度この時のことだった。 最初、泣くとも呻くとも判らない押しつぶしたような低い悲鳴が、さっきのままで栄螺の蓋のように窓を締められたまま電気のともっていた煙草屋の二階のほうから聞えて来た。 「青蘭」の女達は、期せずして再び顔を見合した。が、直ぐに同じ方角からなにか人間の倒れるような音がドウと聞えて来ると、ハッとなった女達は顔色を変えて立上り、身を乗りだすようにして窓越しに向いの家を覗きみた。 煙草屋の二階の窓には、その時、たじたじとよろめくような大きな人影がうつったかと思うと、ゆらめきながらその影法師はジャリーンと電気にぶつかり、途端に部屋の中が真ッ暗になった。が、直ぐにそのままよろめく気配がして表の硝子窓によろけかかり、ガチャンと云う激しい音と共にその窓硝子の真ン中にはまった大きな奴が破れおちると、そこから影法師の主の背中が現れた。 プラセンタ プラセンタオーブ(プラセンタ、ヒアルロン酸、コラーゲン配合サプリメント ...