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「だめよ。なんといっても、これは、良ちゃんにあげられません。お姉さんが、使っているのですもの。」 「見せて、おくれよ。」と、良ちゃんは、けっして、自分のものにはしないから、ただ手に取らしてよく見せてくれないかということを、顔色に現していいました。 「ええ、見せてあげますわ。けれど、あげるのではなくてよ。」と、いって、お姉さんは、ハンドバッグから、シャープ=ペンシルを出して良ちゃんの手にお渡しになりました。  良ちゃんは、いつかもこうして、無理に美しい、コンパクトの容器をもらったことを思い出すと、今度も、これをもらえるのでないかと思いましたから、 「僕、これほしいな。」といって、銀の軸に小さな英語の彫ってあるのをじっと見ていますと、 「こればかしは、いけないの。」と、お姉さんは念を押すようにおっしゃいました。 「僕の持っているもの、お姉さんにあげるけどなあ。」と、良ちゃんは、いいました。 「ほほほほ、良ちゃんは、どんなものを持っているの?」 「僕だいじにしているものがあるのだよ。」 「どんなもの、良ちゃんのだいじにしているものって、なんでしょう?」 「あれと代えてくれる?」船橋 歯科 aiueo > Home