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「おやおや、これはふしぎだ。重い宇宙服をきているのに、らくに歩けるようになったよ。金属製の宇宙服をきているとは思われない。まるで冬の外套を一枚きているぐらいのかるさだ」  三郎は、ふしぎそうに司令塔の中をこつこつとあるいてみた。  ところが、おどろきは、そのくらいではおわらなかった。彼の身体は、もっとかるくなっていったのである。冬の外套ぐらいの重さに感じていた宇宙服が、もっとかるくなって、やがて浴衣をきているくらいのかるさになってしまったから、三郎は、全くびっくりしてしまいました。 「どうした、風間三郎」  艇長辻中佐が、こえをかけた。三郎が、あんまりへんな顔をしていたからであろう。 「は、どうも気持がへんです」 「気持がへんだって。胸がむかむかしてきたのかね」 「いえ、そうではありませんです。この宇宙服の重さが急になくなって気持がへんなのです。まるで紙でこしらえた鎧をきているようで、狐に化かされたような感じです。艇長は、へんな気持がしませんか」 


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