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「お葉はおまえさんの店ばかりで、ほかのお友達の家へは行きませんか」 「さあ、どうでございましょうか」 「若旦那はどんな遊び方をします」 「それはよく存じませんが、なんでも太鼓持や落語家《はなしか》の芸人なぞを取巻きに連れて、吉原そのほかを遊び歩いているように聞いて居りますが……」 「大店《おおだな》の若旦那だから、大方そんなことでしょうね」と、云いながら半七は少し考えていたが、やがて又しずかに云い出した。「じゃあ、番頭さん、ともかくもこの一件はわたくしに任せて下さい。庄太の云う通り、おまえさんが顔を出すと、相手は足もとを見て、大きなことを吹っかけるかも知れねえ、そうなると、事が面倒ですから、わたくしの一手で何とか埒を明けましょう。しかし番頭さん、こりゃあどうしても唯じゃあ済みそうもねえ。五十両や百両は痛むものと覚悟していておくんなさい」 「はい、はい。それは承知して居ります」  勿論そのくらいの事は覚悟の上であるから、いつまでもあと腐れのないように宜しくお願い申すと、宗助は云った。 個別指導 早慶個別スクール 塾長ブログ 難関中学合格から難関大学受験 SUR中学受験指導会