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「な、何者!」  カーテンは大きく揺れながら、糸子と黒い腕の人物を内側にのんでしまった。  帆村は心を決めた。すぐさま邸内に踏みこもうとしたが、帆村は彼の服装がそういう襲撃に適しないのを考えてチェッと舌打ちした。屍体を焼く悪臭の奇人館に踏みこんだときも、彼は宿屋のどてら姿だった。いままた糸子の危難を救うために、謎の家に突進しようとして気がついてみれば、これもまたホテルで借りたどてら姿なんである。これでは身を守るものも、扉の鍵を外す合鍵もなんにもない。頼むは二本の腕と、そして頭脳の力があるばかりだった。思えば何と祟るどてらなんだろう。もうこれからは、寝る間だってキチンと背広を着ていなきゃ駄目だ。  帆村は咄嗟になにか得物はないかとあたりを見廻した。  そのとき彼の目にうつったのは、叢の上に落ちていた一本の鉄の棒――というより何か大きな機械の金具が外れて落ちていたといった風な、端の方にゴテゴテ細工のしてある鉄の棒だった。それを無意識に拾いあげると右手にぐっと握りしめ、林の中からとびだした。そして正面に見える池谷控家へむかって驀地にかけだした。 高濃度ビタミンC点滴療法 - ソララクリニック仙台 プラセンタ療法専門サイト 船頭多くして船山に登るさんのCOTOBACO