「よくわかります。それだけよくごぞんじだったのに、あなたはなぜはじめに、そのことをわれわれに説明してくださらなかったのですか」 「おお……」 と、博士はうめいた。 「これは最近になって、わしがつけた結論なんだ。事件当時には、わしもあわてていて、なにも判定することができなかったんだ」 博士の話は、なかなか鋭いところをついていた。思いがけない殺人に、みずから興奮してあわてたQは、お三根の部屋でうろうろしているうちに、すっかり疲れてふとんのすそに眠ってしまったところを、川内警部がぎゅうと踏みつけたので、Qはおどろいて目をさまし、とびあがった。そのときかみそりのように鋭いQが、警部の左の足首にさわったので、さっと斬ってしまったのだ。 Qはいよいよおどろき、戸口から廊下へとび出し、もとの研究室へひきかえした。そのとき田口警官が、廊下をこっちへやってくるのとすれちがった。すれちがうとたんに、Qは田口の右ほおにさわって斬ってしまった。
投資詐欺 会社設立の慶大生が投資詐欺か、刑事告訴へ | 日テレNEWS24